コラム:日本刀の取り扱い方法
日本刀は、日本ばかりでなく世界の宝です。取扱い方によっては、名刀本体を傷つけたり、また自分や他人を傷つけたりすることにもなりかねません。祖先から受け継いできた宝を大切に、日本刀の取扱いには充分に注意いたしましょう。
★注意
- 刀剣類は白鞘入りのものでも拵のついているものでも、必ず刀袋に入れておくようにしましょう。袋に入れる場合は、鐺(こじり=先の方)の方から入れます。これは不意に抜けたり、鞘走ったりする危険を防ぐことになります。
- 刀剣を持ち運ぶ際は、必ず右手に下げ、柄の方を上にして、先の方がさがるように持ちましょう。これも危険防止のためです。
- 袋から出すときでも、刀を抜くときでも、つとめて柄の方を下にさげないように注意しましょう。
- 刀剣の登録証は、鞘に巻きつけ止めるか、刀袋に縫いつけるかします。しかし盗難等のために登録証は別に保管する方法もあります。
★刀の抜き方、納め方
- 刀を抜くときは、太刀の場合でも、刀の場合でも、刃を上にして左手で下から鞘を持ち上げるように握り、右手で柄を上から握って、軽く鯉口(鞘口)をきり、(白鞘・拵を問わず、鞘口のところではばきで堅く締めています。力を入れて急に抜くと鞘口をこわすばかりでなく、はずみで怪我をすることなどがあります。締まっているはばきの部分だけを抜くことを鯉口を切るといいます。) そして左右にがたつかせぬように注意深く、ゆっくりと抜いてゆきます。絶対に刃の方を下にしたり横にしたりしてはいけません。
- 刀を鞘に納めるときは、抜く時と同様に左手で鞘を、右手で柄を持ち、刃を上にして刀の切先を鯉口のところに静かにのせ 左右に刀身が揺れないように、鞘の溝に走らせて入れてゆきます。そして鯉口のところで固く納めます。この場合も刃の方を下にしたり横にしたりすることはいけません。